arcturus2006-10-04

きっと誰かがふざけて林檎売りの真似をしているだけなんだろう

 
 

薬害エイズ事件:告知遅れ被害拡大、発症予防できず−−患者対象・初の全国調査(毎日新聞 2006.10.1)
 
さらに、感染の有無を確認するために行われる血液検査(HIV抗体検査)について「検査を受けた事実を知らなかった」と回答した原告が81人いた。

 
 

癌の告知とHIV抗体陽性の告知はまったく意味がちがう。癌では二次感染はないが、エイズでは二次感染がある。二次感染は夫婦や親しい者との関係で起こる。万が一、他人を感染させるようなことがあれば、血友病患者は薬害の被害者からエイズ感染の「加害者」になりかねない。社会的な偏見差別が強いだけに、そのようなことが起これば、全部の血友病患者が偏見差別の対象としてますます追い詰められることになる。
だから彼らは必死なのだ。一方的に告知しろ、と言っているのではない。知りたがっている血友病患者には告知すべきだと言っているのだ。
 
薬害エイズ「無罪判決」、どうしてですか?

最終的に、安部と厚生省は最初の血友病患者がエイズで死亡したことを認めた。もちろん、そのころには数百人がHIVウイルスに感染し、数十人がエイズを発症していたが、その大半は自分の病気を知らされていなかった。実際、1988年まで、安部や少なくとも一部の血友病専門家は、患者にHIV陽性であることを伝えなかった。新聞に対して彼はこう説明した。「エイズを克服する方法が見つかるまで、HIV検査の本当のデータは隠しておきたかった……」。ある意味でこれは、不治の病気にかかったときにそれを患者に告げず、家族に話すという、日本の温情主義的な医療の伝統に沿った態度だった。しかし今回の場合は、医師は家族にも事実を隠していた。そのために、少なくとも30人のHIV陽性の血友病患者が、恋人や配偶者に病気を感染させてしまった。
このように日本の医学界は、日本にエイズが存在すること自体を1983年から1985年までずっと秘密にしていた。この重大な2年間に、第Ⅷ因子製剤と血漿の輸入量は増加しつづけた。
 
血液の物語