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ゲーム業界:「有害」ソフト、未成年への販売を自主規制へ(毎日新聞 2005.6.26)
神奈川県が「有害図書」に指定したゲームソフト「グランド・セフト・オート3」
 

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2月14日に大阪府寝屋川市の小学校で起きた教職員殺傷事件で、容疑者の少年がゾンビを倒すアクションゲームに熱中していたと報じられてから、各自治体でゲーム規制の動きが出てきた。神奈川県の松沢成文知事が3月の定例会見で残虐な表現があるゲームの規制方針を表明、石原慎太郎東京都知事も「結構な提案」と賛同している。愛知県ではパソコンソフトについて業界団体の審査基準に基づいて有害図書指定できるよう条例を改正し、7月に施行。大阪府でも同様の条例改正案を9月議会に提案する予定だ。【河村成浩】

有害図書:“暴力”ゲーム指定へ 神奈川県
同条例と規則では、殺人や暴力の美化、残忍な描写を「有害」と定義。「図書類」にはゲームソフトも含まれる。しかし遊び方によっては問題のシーンが表示されず、審査が難しいため、これまで諮問は見送られてきた。松沢知事は「映画やビデオと違い、子供たちがその場にいるような錯覚を起こすゲームの規制は必要」と理由を述べた。30日の審議会では、残虐シーンをまとめたビデオを示し、委員の意見を聴く。【足立旬子】

残虐ゲーム:大阪府有害図書指定の方針
府青少年問題協議会が同日提出した答申で、大阪府寝屋川市の小学校教職員殺傷事件などの加害者が残虐ゲームに傾倒していたことについて、「社会的に看過できない状況」として、業界団体の審査制度を活用する条例改正を行うべき、との指摘を受けた。

残虐ゲーム:説明会開催も「実効性疑問」
この日の説明会には、県内に店舗を持つ大型家電販売店などから16人が出席。参加者の一人は「オート3」の続編がすでに販売されていることを指摘した上で、「内容がほとんど同じ続編は指定されないなど、基準があいまいだ」と述べた。これに対し、県青少年課の担当者は「指定は県青少年保護育成条例に基づく基準で決めた」とだけ答え、続編の指定については「白紙の状態」とした。

 

http://d.hatena.ne.jp/Hayashida/20050624#p1
人間が成長するということは、「自己の欲求が満たされないということを学ぶ」ことに他ならない。だからこそ満員電車や渋滞、人間関係の軋轢に耐え日々の糧を得るために働くことが出来るのだ。
そうした「窮屈な日常から開放されるツール」として、(残虐な内容をも含む)ヴィデオゲームが存在すること事態に問題があるというのではない。問題は、「社会的禁忌を学ぶ過程にある人間」つまりは未成年に与えるに相応しくないヴィデオゲームが日本においては野放図に垂れ流されていることだ。

 
で、表現の自由

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050627#1119801064

「自主」が、本来の意味での「自主」であれば良いのですが、「有害」情報を巡る最近の流れは、
1 国が強く規制の方針を示し、国ができない場合は地方自治体がそういった動きを示す
2 上記のような動きが進みつつ、「業界」に圧力がかかる
3 外部からの規制を回避するため、「自主」規制を余儀なくされる
といったものになることが多く、結果的に権力による「検閲」が行われるのと同様の効果が上がる、というのが常態化しつつあるのではないかと思います。
「有害」概念がどんどん拡大される恐れを考えれば、こういった動きが表現の自由に対する重大な脅威になり得ることが理解できるでしょう。