ソノ先ニ、待ツテイルノハ

 

再分配を否定した政治とは何か山口二郎オフィシャルホームページ)
 
今回の選挙結果は、日頃新自由主義を目の敵とし、社会民主主義の再構築を唱えている私にとってもこれ以上ない敗北である。四年間の小泉政治の中で、経済的動機による自殺者の増加、安定的雇用の崩壊、サラリーマンの所得減少、税・社会保険料負担の増加など失政を示す多種多様な指標が存在するにもかかわらず、小さな政府というスローガンが国民を熱狂させた。国民は生活の苦しさをそれほど痛切に認識しておらず、生活を選挙の争点にはしなかった。この結果には、小泉の戦術の巧みさと、野党、特に民主党の戦略の失敗の両面の原因がある。

戦後政治の終わりと小泉政治の始まり山口二郎オフィシャルホームページ)
 
まどろっこしい間接民主主義では、しがらみや既得権がものを言ってなかなか物事が決まらない。だから小泉が言うように、事実上の国民投票で決めたほうがすっきりする。国民は地元のさえない自民党候補に入れるのではなく、小泉に投票するつもりで自民党を選ぶ。しかし、小泉に直接触れることはできないので、メディアに映った象徴としての小泉につながった気分になる。国民投票といっても中身はよく分からないので、とりあえず改革の象徴としての郵政民営化に賛成する。人々が求めている直接性は象徴を通してしか実現されない、疑似的直接性なのだ。

 

日本国民であること「誇り」9割…読売世論調査(2005.9.15 読売新聞)
 

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「ぜひとも国の役に立ちたい」と考える人は68%で、同種の質問を実施した1986年、94年の両調査(各59%)より増え、過去最高となった。
しかし、日本が将来、「国民の生命・財産や領土を守っていけると思うか」では、「守っていける」41%に対し、「そうは思わない」が50%で上回り、日本の先行きへの不安がくっきりと表れた。
国際社会での日本の地位についても、日本は「国力などに見合った地位や尊敬を得ていない」と不満を感じる人が65%に上った。また、戦後60年間での日本のイメージでも、「他国の顔色をうかがっている国」が74%、「明確な長期目標や国家戦略に欠ける国」が71%に上るなど、厳しい見方が目立った。
一方、日本が他国に侵略された場合の対応については、「安全な場所へ逃げる」「武器以外の方法で抵抗する」が、ともに35%でトップ。「武器を持って抵抗する」は17%で、同じ質問をした80年調査(21%)、2002年調査(19%)を下回った。

こゆーのの効果、でもないですよね??
中山文科相“あるべき教科書”示唆「日本人としての誇り持つ教育を」(産経新聞 2005.6.20)
自国に誇りをもてるのは幸せなことだと思うし、わるいと言うつもりないけれど
「国の役に立つ立たない」がクローズアップされるムードは、ちょっとこわい…
 
 

アメリカに集約するヘルスケアのイノベーション(On Off and Beyond)
 
しかし、こうした高い医療費のせいで、ヘルスケア産業のイノベーションが、加速度的にアメリカに集約してきているのもまた事実。
世界の製薬産業の利潤のうち、実に6割以上がアメリカで生み出され、ヨーロッパを全部合わせても2割に満たない。大手製薬会社の内部収益率は、米国では8%なのに、ヨーロッパでは1%という悲惨な数字となっている。結果としてヘルスケアのR&Dは、伝統的に製薬に強かったヨーロッパから、市場に近いアメリカへとどんどんシフトしている。1992年には、薬品の開発費は、ヨーロッパが100億ドル、アメリカ90億ドルと、ヨーロッパがリードしていたが、2002年には、ヨーロッパ210億ドル、米国260億ドルとアメリカ優位に逆転した。

「貧乏人に苦労を強いつつ、夢を持たせることにもなんとか成功しているところが、危うさでもあり強み」
 http://d.hatena.ne.jp/arcturus/20050907#p2
うう、どう考えればいいんだか…