アスベスト新法

 

アスベスト新法 幅広い救済が必要だ(東京新聞 2005.9.21)
 

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救済する対象者の範囲はできるだけ広く行うべきだ。閣僚会議の決定では「現行の労災保険法や公害健康被害補償法の枠組みでは救済できない者」となっている。労災補償保険制度は労働者が対象だが、死亡してから五年以上経過すると時効となり労災申請ができない。また家族や周辺住民も対象外だ。こうした人たちの救済が重要となる。
公害健康被害補償制度も厳しい。適用するには著しい大気汚染による被害があるなど、三つの要件を乗り越えなければならない。環境省は「四十年前の汚染状況を把握し、汚染原因者を特定することは難しい。アスベストの飛散は一キロ程度と限定的で大気汚染のように地域指定などはできない」と地域指定とアスベスト問題はなじまないとの姿勢だ。
それならどうしたら適切に対処できるのか知恵を絞るべきだ。環境行政の主管官庁が腰を引いていては新法は危うい。被害者に対する思いやりをもって取り組んでもらいたい。

石綿被害救済、申請者に制限設けず 新法骨子案(朝日新聞 2005.9.22)
 

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認定は、専門の医師が、石綿に触れたことがあるかなどの生活歴も加味したうえで実施する。認定基準は今後詰める。棄却された人は、公害健康被害補償不服審査会に申し立てることができる。
制度づくりに当たっては、水俣病など他の公害被害に対する補償、救済制度とのバランスを考慮する。汚染者負担の原則から、企業側に高い負担率を求めるものの、石綿規制が進む中で廃業した企業も多く、健康被害が予想以上の広がりをみせているため、国も一定の割合で負担する。
年末をめどに制度の詳細を決めたうえで、石綿新法案を来年の通常国会に提出し、成立を目指す。成立後は、窓口となる保健所職員や、認定に当たる医師の研修などを行い、06年秋にも申請受け付けを始める。
だが、石綿被害の広がりの見通しが立たないため、保全機構に預けるプール金の規模は確定していない。遺族一時金などの具体的な給付額も決まっていない。企業側の負担能力の問題に加え、国の負担割合についても財政当局と調整する必要がある。給付額や負担割合を巡る協議は難航が予想される。

アスベスト 中皮腫患者に治療費 新法骨子政府案 被害補償は盛らず産経新聞 2005.9.24)
 

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しかし、骨子案には、患者やその家族が受けた被害に対する補償は盛り込まなかった。
被害者への補償について、政府は「公費を投入するには国が責任を負うはっきりした根拠が必要」(環境省)との立場。民事裁判で原因企業に損害賠償請求できることや、公害紛争処理法による裁定に補償の道もあり、「他の公害被害者に対して行ってきた救済制度とのバランスも必要」(同)としている。
一方で、労災申請の時効(死亡後五年)を超えて中皮腫などアスベスト関連疾患で亡くなった元労働者については、従来の労災の枠組みで補償する方針だ。
アスベスト被害者や労働者を支援してきた石綿対策全国連絡会議(東京都江東区)は「見舞金のような一時金で済ますのでは補償制度とは呼べない。治療費はもとより労災補償に準じた所得・遺族補償がなされるべきだ」としている。連絡会議のメンバーである「中皮腫じん肺アスベストセンター」(江東区)の名取雄司所長は、「救済と呼ぶには、不足しているように思う。残されたアスベストの管理から廃棄まで含めた、総合的なアスベスト被害予防対策の新規立法が必要」と話している。

 
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/asbestos/dai2/2gijisidai.html
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/index.html
 
「あくまでも健康被害者の救済を行うためのもので補償ではない」
て、同じよなこと言うんだな、いつも。ぶー
水俣病など他の公害被害に対する補償、救済制度とのバランスを考慮」を、どんな気持ちで聞くんだろ。
また、認定基準だ…
 
 
9月26日追記。
 

http://d.hatena.ne.jp/yahara/20050925
この問題に自然科学者が気づいたのは、水俣病がきっかけである。水俣病については、患者が出ていて、病気とメチル水銀との関係が明らかになっても、無機水銀とメチル水銀との関係についての証拠が不十分であるという理由から、厚生省は数十年にわたって規制にふみきらなかった。同じ過ちが、アスベストについても繰り返された。(空飛ぶ教授のエコロジー日記より)

「より悲観的な予測を導く仮説を選択し、対策を通じて仮説を検証していく」ことが
どうして、こんなにむずかしいだろ…
それって次世代まで含んで、多数の利に適うことでしょう??
 
 
水俣病が、このまま、リスクマネジメントの大きすぎる失敗例と片付けられて終わってしまうの
私はいやだ。くすん