君が代

 

東京都立高:日の丸・君が代、生徒指導に職務命令 2校長(毎日新聞 2004.9.27)
 
卒業式や入学式での「日の丸・君が代」問題で、東京都立の2高校の校長が教職員に対し、生徒が「日の丸」に向かって起立し「君が代」を斉唱するよう指導を義務付ける職務命令を出していたことが、分かった。都教委は昨年10月、教職員本人に起立と斉唱を義務付ける通達を出し、従わない教職員を懲戒処分の対象にしているが、生徒の行動で担任教員らを処分する職務命令は全国で初めて。

職務命令を出したのは、10月2日に創立80周年記念式典を迎える深川高(江東区)と、同じ日に開校式を予定している新設の千早高(豊島区)の校長。今月下旬、教職員全員に「学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導すること」とする職務命令書を手渡した。これにより、生徒が大量に起立しなかった場合、担任らが地方公務員法違反として懲戒処分の対象となる。都教委は今月、都立学校の校長らに対し、「生徒指導」を盛り込んだ職務命令を出すよう口頭で指示した。

これに対し、都高等学校教職員組合は「処分を前提に生徒の内心の自由に踏み込み、来春の卒業式に向け、強制しようとしている」と批判している。
都教委は今春、卒業式や入学式での不起立などを理由に、教職員約230人を減給や戒告処分にし、嘱託教員ら9人の雇用を取り消したほか、生徒への指導不足などを理由に校長ら67人を「厳重注意」などとしていた。【奥村隆】