小児慢性特定疾患治療研究事業改正

 

子どもの難病支援制度 来月から大幅変更(2005.3.27 読売新聞)
 
これまでは10疾患群488疾病が対象だったが、慢性消化器疾患が新設され、11疾患群514疾病に増えた。エイズ、肝硬変などが追加され(表下)、対象者は3000人ほど増えると見られる。
また、これまでは一部の通院は対象外だったが、すべての疾患で入院、通院とも事業の対象になった。病気ごとに異なった対象年齢も、すべて20歳未満までに延長された。

難病・小児慢性特定疾患対策の法制化を巡る課題とJPC第88回常任幹事会の討議と見解のまとめ(2002.11.19 JPC)
 
この事業は、特定疾患治療研究事業(いわゆる難病対策の医療費公費負担の事業部分)の手法を用いたものだが、難病対策と異なるのは、「治療研究事業」としながらも実際には「研究」は行われた形跡はなく、また研究班も組織されていない。
法制化にあたっても、新たな法律を考えているのではなく、「児童福祉法」の改正をもって充てたいとしている。
つまり、あくまでも「児童福祉法」の枠内にとどめておくこととなる。
これでは、多くの患者・家族の「20歳以上も医療費公費負担の対象としてほしい」という希望は、全く可能性が無くなるということになる。特定疾患対策のいわゆる「つき抜け(エイジフリー)」は全くできないことになり、子どもたちの生涯を通じての医療費負担が、その人生に大きな圧迫をもたらす現状は改善されない。
幼児期からの治療の継続は、就学・就労に大きな影響を及ぼしていることも合わせて考えると、果して、児童福祉法の改正をもって、小慢対策の存続を図るという方針は正しいと言えるのだろうか。

 
今まで国の定める要綱等に基づいて行われていたこの事業は、2004年11月の児童福祉法改正により、
その根拠が法律に明記されました。それにともなう改正とのことですけれども…

児童福祉法第21条の9の2】
都道府県は、厚生労働大臣が定める慢性疾患にかかつていることにより長期にわたり療養を必要とする児童又は児童以外の満二十歳に満たない者(政令で定めるものに限る。)であつて、当該疾患の状態が当該疾患ごとに厚生労働大臣が定める程度であるものの健全な育成を図るため、当該疾患の治療方法に関する研究その他必要な研究に資する医療の給付その他の政令で定める事業を行うことができる。


 

今回の改正により小児慢性特定疾患治療研究事業は、児童福祉法に基づく将来にわたり安定的な制度として新たに確立されることとなりました。
改正内容として、制度の改善・重点化が図られ、全疾患群において入通院医療が適用されるとともに、新たな対象疾患群として、慢性消化器疾患群が追加され、全11疾患群へと対象疾患が拡大されましたが、児童福祉法に規定される他の医療費助成同様、所得に応じた自己負担が導入されるとともに、新たな疾患毎の認定基準も定められました。

軽症の場合、現在の受給対象でもはずれることがあるようです。
ざっと読んだド素人の印象ですが、重症患者の認定基準はけっこうキビしいように思いました。
「重症患者への重点化」が中軽症者への支援切り捨てになっていないかどうか、気になります。
どうなのかな。疾患ごとにちがうだろうし、すべて見えないし、ちょっとわからない。
おどろいたのは、変わるだろうとぼんやり聞いてはいましたが、突然上記の通知がくるまで
この程度(新たな小児慢性特定疾患治療研究事業について)の説明もないことでした。なあんにもないの。
新聞にも載ってなかったと思うけど。これ1つで一斉切り替えに対応できるのかなと思ってたら、
しばらくして、急いで受診の必要がなければ後にしてほしい、みたいのが来てました(笑)
で、疑問点を保健所で訊いてみたんですけど、「国会で決まったんです」て。
どうしてそんな質問するのかも、きっとわからないのでしょ…
正確な説明もなしに、みょーな憶測させておいてから「偏見をもたないで」とか
もうやめてほしいです。結局、なにも学んでいないってこと…
 

薬害エイズ:2審も有罪の松村被告が上告(毎日新聞 2005.4.6)
 
薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われた元厚生省生物製剤課長、松村明仁被告(63)の弁護人は6日、禁固1年、執行猶予2年の1審判決を支持した東京高裁判決(先月25日)を不服として、最高裁に上告した。「官僚の不作為」について初めて刑事責任を認めた判決を、あらかじめ刑罰を定めるべき「罪刑法定主義」の原則に反する憲法違反などと主張している。【木戸哲】

 

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なんていうか気になるのは「将来にわたり安定的な制度にする」ために法的根拠を整えた
てより、「所得に応じた自己負担」させるために、児童福祉法を改正したようにみえること、です。
負担額については、いまのところは、小さい子どものいる家庭の経済状況が考慮されたものといえそうだけど
児童福祉法に規定される他の医療費助成同様」て、「小慢だけ特別扱いできない」て
だったらしかたないって考えるしかないでしょ??
どうなのかな…