障害者自立支援法案

 
審議進む自立支援法案。朝日新聞(2005.6.28)より。

知的障害の定義をはっきりして、正確な数を把握してください。
(全日本手をつなぐ育成会・松友了常務理事)

「益」と言われても、生きるのに最低必要な解除を受けているだけ。
働く場も十分な収入もないのに負担だけ増えるのは納得できない。
私の言ってること、おかしいですか。
障害者自立支援法案の応益負担の導入について、脳性まひの女性)

 
 
重点施策実施5か年計画(新障害者プラン)
障害者基本計画(2002.12)
障害者自立支援法案の沿革(1)措置から契約、さらに「保険化」への道たどる障害者福祉(京都保険医新聞)
「障害保健福祉施策の改革(障害者自立支援法案)」に関する主な論点と東京都の見解概要

 

障害者サービスの家族負担、条件付き免除方針 厚労省(朝日新聞 2005.6.11)
 
国会で審議中の障害者自立支援法案で導入される福祉サービスの利用者負担が障害者の家族にも及ぶ点について、厚生労働省は10日、条件付きで家族負担を免除する方針を固めた。関係者からの「家族に気兼ねしてサービスが利用しづらくなる」との反対論に配慮した。ただ、さらなる負担軽減を求める声があるほか、民主党は利用者負担の実施そのものの先送りを求めており、なお曲折がありそうだ。
同法案では、障害者本人がサービス利用量に応じて原則1割を負担する「定率(応益)負担」を新たに導入。負担の上限額を決める際、「同一世帯でかつ生計を一にする家族の負担を勘案」するとしており、障害者本人に負担能力がない場合、親やきょうだい、子の収入に応じて負担を決める仕組みになっている。
障害者団体からは「家族の負担が大きい」「家族負担が障害者の心理的負担になり、自立の理念に反する」として、障害者本人だけの収入に応じて決めるよう求める声が出ていた。
これを受けて同省は、扶養親族などが障害者の場合に年27万〜40万円が課税対象から外れる「障害者控除」返上と引き換えに、家族負担を免除する。家族負担をしても控除を維持した方が有利な場合もあり、選択制にする。配偶者には適用せず負担を求める方向。法案成立後に政令で詳細を定める。

障害者自立支援法案:厚労省、「政争の具にされている」毎日新聞 2005.6.24)

国会で審議中の障害者自立支援法案が、24日告示の東京都議選をにらんだ与野党に翻弄されている。22日、民主党が法案の修正協議を打ち切って対決姿勢に転じれば、自民、公明両党は23日、異例の抗議声明を公表。「非は民主党にあり」と印象付ける作戦に出た。厚生労働省は「政争の具にされている」と戸惑いを隠さない。

障害者自立支援法案:主要8団体が「定率負担」導入を容認(毎日新聞 2005.6.25)
 

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DPI日本会議常任委員の中西正司さんは「重度障害者の長時間訪問介護など現状の支援費制度で確保されたサービスが維持できるのか、不安に感じる障害者は多い。サービス水準を守ることが大切で、各党はその点をしっかり協議してほしい」と強調したうえで「一定の所得がある場合、定率負担は受け入れざるを得ないのではないか」と話している。

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精神保健及び精神障害者福祉に関する法律32条について。


「障害者自立支援法案」および「障害者雇用促進法案」に関する要望書ぜんかれん

精神通院公費医療の廃止がもたらすもの(京都保険医新聞_第2487号)
これまでの精神通院公費医療では、対象患者は「病名」ではなく「状態像」によって規定されていたのであるが、これが病名規定に変更されることの問題は大きい。精神科の疾患では、病名だけで障害の実態を反映することは困難である上に、これでは病名を固定することで、新たな差別や偏見の要因ともなりかねないからである。
さらに「重度かつ継続」の内容としても、わずか三つの疾患だけでは、さまざまな病状や障害を持った人のニーズに応えるには程遠い。例えば「反復性うつ病」という疾患は、病状が安定している時期にはまったく生活に支障はなく、ついつい通院や服薬がおろそかになることもあるが、もしも治療を中断すれば再発の恐れが高く、最悪の場合には自殺にさえ至る病態である。これは厚労省案の三疾患には含まれていないが、現行の精神通院公費利用者の中では20%以上を占める重要な層であり、もしこのまますべて公費負担の対象から外れてしまうと、治療中断や再発の増加が非常に危惧される。
通院患者の経済的な実情に関しては、5月の衆議院厚生労働委員会においても京都選出の議員が京都市内の某精神科クリニックのデイケアで目にした実態を元に、質問を行っていた。議員が訪問した時デイケア通所者は、昼食代を節約するためと言って、焼きそば2人前を3人で分け合って食べていたという。そして、「デイケアにめぐり会ったお陰で、自殺せずに生きてこられた私なのに、これ以上負担が増えると通えなくなってしまう…」と利用者の1人は訴えたという。現在の5%負担でも、デイケアに1カ月通うと窓口負担は月7〜8千円になり、それが2倍になる影響は深刻である。もしも公費負担の対象から外れて3割負担となると、月5万円にもなりかねない。

精神保健福祉法32条削減廃止を許さない運動を(05年3月「 新医協新聞」)

これらは、どこから見ても、精神疾患のある人の地域生活継続を阻害することになります。結果として、厚生労働省の掲げる入院患者の減少(72,000人の退院目標)をも阻害するものです。また、精神科救急医療の増加、強制入院の増加、ホームレス支援・触法精神疾患患者の特別施設への収容の増加など、より困難でコストの掛かる方向に精神科医療は変質していくでしょう。これまで、僅少に抑えられてきた社会復帰予算の中でも、民間の力で作業所を作り、住居を作り、就労支援を営々と続けてきた四〇年間に渡る努力が一瞬にして雲散霧消しかねません。
確かに一部には、デイケアによる「患者囲い込み」、「地域の閉鎖病棟化」が問題であることは否定しません。例えば、ある良心的な先生はこう指摘します−「やはり悩ましいのは、精神科デイ(ナイト)ケアです。……一部には治療とは言い難い、囲い込みがあることも否定できないのではないでしょうか。就労支援に取り組み、職場実習と組み合わせると収入が減り、一定の場所に通わせているだけで収益が上がるのは、理解しがたい仕組みです。医療が福祉を抱え込んだ通院版と感じます。この自己改革の表明が無い限り、国民は納得しないでしょう」と。
しかし、そのような部分的なことを今持ち出して、全体の制度を崩壊させるべきではないと思います。

とてもお医者さんらしい文章で、ちょっと笑えました。
関連するエントリ http://d.hatena.ne.jp/arcturus/20050628#p2
 

法定雇用率、うつ病の従業員も適用対象に 厚労省改正案(朝日新聞 2004.12.15)
 
うつ病などの精神障害者の雇用促進策を検討してきた厚生労働省は13日、障害者雇用促進法改正案を固めた。従業員の1.8%を障害者とする法定雇用率の対象に精神障害者を加え、長時間働けない状態にも配慮し、週20時間以上30時間未満の短時間しか働けない場合でも0.5人として雇用率にカウントするのが柱。厚労省は来年の通常国会に法案を提出する。
法定雇用率の算定対象は現在、身体と知的障害者に限られている。
厚労省案では、新たに対象となるうつ病などの精神障害者は、日常生活や社会生活に制約があると認められる「精神障害者保健福祉手帳」の所持を条件とし、新規雇用だけでなく在職者も対象とした。把握する際には、プライバシーに配慮した方法を国が企業側に示すことが必要とした。
休職から復職に至る支援を各都道府県にある地域障害者職業センターが担い、企業内でも復職を支援するスタッフの配置を求めている。
当面は身体・知的障害者の法定雇用率に加える形をとり、法定雇用率の引き上げは見送った。
実際の雇用率は03年6月時点で1.48%にとどまっており、未達成企業は国に納付金(1人当たり月額5万円)を支払っている。精神障害者を対象に加えることで全体の雇用率を引き上げ、解雇されるケースの多いうつ病などの労働者の雇用拡大につなげる方針だ。

「精神科病院」に統一へ「精神病院」表記を廃止(朝日新聞 2005.6.16)
 

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厚生労働省によると、精神疾患の患者は02年時点で約258万人で前回調査の99年より54万人増えた。早期受診が大切だが、受診が遅れて悪化するケースも多く、「心理的な抵抗感もあるのでは」(精神保健福祉課)との見方もある。

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しばしば長期にわたる治療を継続するために、表記も大事ですけれども医療費も大事です。
 
http://d.hatena.ne.jp/arcturus/20050518