日本人学校の副教材押収 中国・大連市税関『台湾表記など不適切』(東京新聞 2005.6.28)
 
【北京=井上裕之】中国遼寧省大連市の日本人学校(小中学部約百六十人)が日本から取り寄せた歴史などの副教材を、同市税関当局が台湾や尖閣諸島の表記に不適切な点があるとして、約二カ月間差し押さえた上、同校に罰金を科していたことが二十七日分かった。
日本人学校で使用する教材について中国側が法的な検閲介入に踏み切ったのは初めて。日中の歴史教科書をめぐる対立とも絡み、新たな外交摩擦に発展する可能性がある。
日本の外務省筋によると、当局が差し押さえたのは小学校の社会、中学校の歴史、地理など授業で使う計十種類の資料集など約百三十冊。今春の新学期前に同校が日本の業者に注文、航空便で大連に発送された。
当局はこれら教材の地図などの表記で(1)中国大陸と台湾が色分けされている(2)尖閣諸島が日本領土とされている−点などを問題視。通関段階で中国の税関公正賞罰規定違反(国益に反する物品)として差し押さえた。

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