痛み

 

痛みを数値化 世界初の医療機器開発=岡谷の「オサチ」(長野日報 2005-8-25)
 

><

橋爪教授は報告書の中で、痛みが定量化できれば予防医学や治療現場の診療支援になるとしている。同社も「薬の投与が適正になるなどの診断の指標になる」と話す。大手医療機器メーカーと進めている市場調査では、糖尿病治療などに用いられる閾値評価のほか、治療効果の判断などの医療現場に市場を確認した。
価格設定は20万円から50万円を予定しており、岡谷市の本社工場で生産する計画だ。

 
こゆのにド素人が口出ししてはいけないでしょうけれども。思ったことちょこっと。
医療従事者は、患者の痛み(の主観性)にドライなとこないですか??
そうでなくては日々重篤な痛みと対峙できないかもだし、いそがしいし。
「すごく痛かった、あんなの初めて」と話す患者に看護士サンが「痛いだけありがたいじゃない」とか。
くわしい事情わからないし、そりゃそうなんだけど、ちょっとかわいそうにみえました。
客観的な指標によって適正な投薬が可能になるなら患者にとってもいいことだし、
医療従事者に「主観的な感覚量のため、正しく他人に伝えることが困難」て認識があるからこそ
数値化できることに意味があるのだろうとも思います。
ただ、それができるようになったとしても痛みは、不安や恐怖を伴って主観的なものではないかと思いますし
“主観的なもの”は測ることができないからと軽視するようなことは、しないでいただきたいです。
 
こういう記事も。

がん診療拠点病院、痛み緩和の体制不十分・厚労省調査(日経 2005.8.15)
 
がん治療の中核となる「地域がん診療拠点病院」のうち、がんに伴う痛みを軽減させる「緩和医療」を行う体制が整っていない施設が21.5%に上ることが15日、厚生労働省の調査で分かった。末期がんの患者などが自宅で療養する場合に必要となる開業医との連携については半数の病院が整備していなかった。
調査は現在、全国135ある拠点病院を対象に実施、7月下旬までに回答した121施設についてまとめた。
拠点病院の指定を受けるためには、緩和医療を提供する体制を持つことが条件の一つとなっている。ところが同省が具体的に「医師、看護師、臨床心理に携わる人を含めたチームによる緩和医療を行う体制が整備されているか」と尋ねたところ、95施設(78.5%)は「はい」と答えたものの、26施設(21.5%)は整備されていなかった。このうち七施設は「整備する予定はない」と答えた。

 
 
やっぱり認定基準を思い出します…

それから、一つは、健康上の不安という問題で、皆さんたくさん使っていらっしゃるし、小高委員も荒木委員も使われておりますが、この間、私は、にせ患者と同じであるし、こういう問題の解決には信頼感が根底になくてはなりませんので、強いて使うならば、「自分の持つ症状が、メチル水銀に由来するのではないかと疑いを持つ症例」、これが健康不安だと思うのです。症状がないのに漠然と健康不安を持つというのは、現実に現地ではにせ患者のことだと言っていますから、表現を変えていただいて、実際はそういうことでいいので、「健康不安の解消が行政の責務である」という言い方は、私もかつて何かものの本にも書いたことがありますけれども、それは漠然と健康不安ではいけないと思うのです。
第5回中央公審対策審議会環境保健部会 水俣病問題専門委員会(1991.9.2)28ページ

安部英なんて医者じゃねーよ」て言ってたひとがいるけど、そうかな…
安部氏や井形氏のような医師こそ、医者らしい医者だったんじゃないのって思ったりする。
 

白木(博次)は国際的に優れた神経病理学者です。白木は次のように証言し、認定基準審査会を厳しく批判しました。
「体内に入った有機水銀は全身に行きわたるのであって、これを神経細胞だけを侵す神経内科病としているところにそもそもボタンのかけ違いがある。認定審査会は患者の訴え(自覚性)を無視し、数値化、客観化された症状だけを症状と見るが、それは正しくない。医学は経験科学であって実証科学ではない」
 
新潟水俣病の三十年―ある弁護士の回想 ISBN:4140804920