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水俣病関西訴訟 最高裁判決1年(上)熊本日日新聞 2005.10.13)
関西訴訟で司法認定された坂本美代子さん(70)=大阪市=は判決後、県庁を二度訪れ、自らを行政でも認定するよう求めた。坂本さんは七八年に認定申請したが、結論が出ずに処分保留のまま。「司法が認めてるのに、なんで行政は私を水俣病と認めてくれへんねん。どう考えてもおかしいやないですか」。その主張は明快だが、行政には届いていない。

水俣病関西訴訟 最高裁判決1年(中)熊本日日新聞 2005.10.14)
水俣病被害者の会全国連絡会の橋口三郎幹事長(79)は、「交渉で国が動かないのは過去の歴史が示している。行政の対策に不満があるなら、裁判しか道はない」と理解を示す。だが、「認定基準の見直しはすべきではない。政治決着時の苦渋の選択が否定されるようなことがあってはならない」と複雑な思いも漏らす。

水俣病関西訴訟 最高裁判決1年(下)熊本日日新聞 2005.10.15)
昨年十月十五日。三十年以上にわたり患者支援を続ける水俣病互助会事務局の谷洋一さん(57)=芦北郡津奈木町=は、最高裁前で判決の喜びを分かち合う原告や支援者の輪の中にいた。その谷さんが振り返る。「判決は水俣病が『政治決着で終わった問題』ではなくなった瞬間だった。国、県は被害実態の解明に取り組む義務を負ったはずだが、この一年を見る限り、その期待は裏切られたと言わざるを得ない」

阿部・中央大教授 セミナーで認定基準見直し訴え 東京都熊本日日新聞 2005.10.14)

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ただ、現行基準で棄却された人が「棄却処分取り消し訴訟を起こせば、現行基準が誤りだという判決になる可能性が高い」と強調。現行基準はチッソとの補償協定と結び付き、「相当に症状が重い人に限られている」と批判した。
その上で、「水俣病に二種類あるわけではなく、程度の差があるだけ。補償協定と現行基準は患者の実態に合っていない。現行基準を見直し、症状の程度に応じた補償協定を作り直すのが筋だ」と語った。

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「認定基準は見直さない」「和解は現時点でも考えていない」て。
なに書いていいかわからない。
勝訴で手にした手帳を、返上した坂本さんの認定はどうするんだろう。
審査会が始まったらまた失望ばかりが重なるのかな…
 
 

すべての水俣病者の闘い、水俣病闘争とは何だったのか。チッソとの自主交渉や裁判を通して水俣病者が言ってきたことは、ふたつのことに尽きるのではないか。「死んだ子(親、兄弟、友人)を返せ」と、「人間として相対して謝れ」ということ。
『証言 水俣病ISBN:4004306582)』