morning-after pill

 

モーニングアフターピル(Plan B)のOTC販売の決断を先送りしていることについて、アメリカ議会は再度FDAを非難(2005-11-17)
 
モーニングアフターピル(Plan B)のOTC販売に関する決断を先送りしていることについて、科学よりも政治に重きをおいたとしてアメリカ議会は再度FDAを非難しました。
Plan BのOTC販売は、「医師の指導なしで16歳未満の女性がPlan Bを安全に使えるかどうかのデータがない」として2004年5月に却下されました。
このFDAの結論に対し、Plan Bの製造元であるBarr社は「16歳以下の女性には、医師の処方がないと買えないように制限を設ける」という対応策を提出しました。Barr社の提案を受けてFDAは、Plan BのOTC販売に関する決定を無期限に延期すると今年8月に発表しました。

議会調査部門であるGovernment Accountability Office(GAO)の査察結果が月曜日に発表されました。それによると、FDAがPlan Bの販売を最初に拒否したとき、科学者によるエビデンスのレビューが完了する前に販売拒否の方針を固めるという尋常ではない行動がとられたようです。GAOの査察で以下のような事実が発覚しました。
2004年1月15日のFDAの議事録によると、当時のdrug chiefのSteven Galson氏は、科学的レビューが完了していないにも関わらず、若い女性において懸念があるのでPlan BのOTC販売承認を拒否することを推奨しました。また、FDAの職員も、(Plan BのOTC販売の可否については)既に決定済みであることが告げられたとGAOの調査員に話しています。しかしGalson氏は、5月にPlan BのOTC販売を却下する数週間前に、職員による科学レビューを読んでから最終的な決断を下したと言っています。もっとも、GAOによると彼は1月の段階で90%の確率でOTC販売が却下されることを知っていたそうです。

通常では出席しないようなFDAの重役が会議に出席していた場合がありました。2004年2月18日の会議では、レビュアーは当時のコミッショナーであったMark McClellan氏に対し、Galsonの懸念を支持するエビデンスはないと伝えます。しかし議事録によるとMcClellan氏はその結論に対して疑問を呈しました。
通常であれば薬剤の運命を発表する3人のFDAディレクターの代わりに、Galson氏が薬剤のそれをしました。というのも、3人がPlan BのOTC販売に関する決定に賛成していないことが分かっていたからです。
年齢に関する論理的根拠は新たに作ったものでした。以前は、FDAは10代の避妊について特別なエビデンスを要求していたわけではありません。16歳未満の女性の使用に関する懸念は、避妊は性的活動に影響を及ぼさないという10代後半の若者のデータから推定したものでした。
月曜日に発表されたレターの中で、18人の議員は、FDAの新しいボス・Mike Leavittに対して、Plan Bに対するFDAの最終的な結論がイデオロギーに基づいたものにならないように調停するように要請しています。また、McClellan氏の長期在職期間中に資料が不法に破棄されていないかどうかを調査するようにLeavitt氏に要請しています。

 

"The FDA's mission is to improve our health, not play to a political base, and right now it's failing at its mission."

積極的に賛成も反対もできるだけはよく知らないです。ただ、これはそうだと思うけれど。
 
1999年FDA新薬承認
2003年12月、FDAのアドバイザーはOTCへのスイッチを支持
2004年5月、FDAは拒否
2005年1月、予定されていた決定が下りない
6月、イリノイ州の薬剤師がOTC販売を認めた州法に異議を申し立てるために訴訟を起こす
(4月、シカゴでは販売を拒否した薬剤師に「即刻」販売することを命じる裁定が出る)
8月、FDA局長が17歳以上の女性には安全であると話す
約束されていた期限(9月1日)を過ぎても決定が出ないまま局長のクロフォード氏辞職
11月、民主党議員らがOTCスイッチのための法案を発表
 
FDAで未決の処方箋なしの販売が州法では認められていて
それを薬剤師が(たぶん宗教上の理由で)拒否するって、とてもフクザツ。わかりにくいです。
 
 
続 アメリカ医療の光と影 ピル(医療と性と政治)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2652dir/n2652_05.htm
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2654dir/n2654_03.htm
 
緊急避妊薬をめぐり迷走する米国の論争
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050518305.html
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050519307.html
 
Plan B: Q&A(FDA
http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/planB/planBQandA.htm
 
 
Plan Bは、フランスで2000年5月、イギリスでは2001年1月からOTCに指定されていて
カナダは2004年5月にBTC(behind the counter drug)に指定していますが、OTCに変更するかも??
モーニングアフターピルに対する修正案、賛否両論(2005.4.22)

で、日本ではこんな感じ。

Dr.北村 ただ今診察中毎日新聞 2005.7.1)
わが国でもECPが処方されていないわけではありません。医師の判断と責任で、国がECP以外の目的で承認している薬剤を転用しているのです。しかし、これはあくまでの医師の好意によるものです。しかも、1970年代に開発されたヤツペ法と呼ばれるこの方法は、今回ニューヨーク州議会が薬局での販売を許可した方法(黄体ホルモン単独剤)に比べても驚くほどの副作用があります。

http://americanokusuri.com/nayami/preven.html とか
http://www.isexyhealth.com/details/detail.asp?ID=836 もあります…
 

第154回国会厚生労働委員会議事録(2002.7.17)より
 
○水島委員
 また、最近、フランスやイギリスなどでは、十代の妊娠中絶対策としまして、緊急避妊薬の積極的な導入を考えた施策を提言していると伺っております。緊急避妊とは、レイプされた、コンドームが破損した、避妊できなかったなど非常事態の七十二時間以内にホルモン剤を服用することによって妊娠を回避するものであって、決して中絶薬ではございませんけれども、心身のトラウマをつくりかねない中絶を回避する最後の避妊手段としては極めて重要な避妊法だと考えております。
 ことしの四月十一日に、日本家族計画協会と当時の日本助産婦会が坂口厚生労働大臣あてに緊急避妊薬を早期に導入するようにという要望書を提出したと聞いておりますけれども、その後その要望書はどのように対応されているでしょうか。
○篠崎政府参考人
 ただいま御質問ございました緊急避妊薬のことにつきましてでございますが、成分名はレボノルゲストレルのことだと思いますが、現在我が国では承認をされておりません。その早期承認に関しまして、四月の十一日に日本家族計画協会などから御要望があったわけでございます。
 こうした御要望を踏まえまして、私ども関連する製薬企業などに我が国での開発の状況や意向などについて照会をしてまいりましたけれども、現在開発に取り組んでいる企業が一社ございます。
 このようなことで、私どもといたしましては、この企業の開発状況を見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○水島委員
 今回はその開発に取り組んでいる企業がどうにか一社あるということでございますけれども、いつも、これでもしも開発をしている企業がなかったとすると、企業からの申請がないからというようなことでまたずっと寝かされるのではないかと思います。やはり、緊急事態においてきちんと対応できるような薬事行政を日本もとっていかなければいけないということを、私も過去にも指摘させていただいておりますけれども、今回もその様子を見守るというようなそういう悠長な構えではなく、今本当に何が必要とされているのかということを考えて、優先的に、とにかくスピードアップすることが必要だと判断して、きちんとそのように取り組んでいただくというようなことが必要なのではないかと思っております。
 性感染症もそうですけれども、十代に中絶をしてしまったことを、それを理由としまして、その後ずっと不妊になってしまうというようなケースもあるわけでございますので、本当に十代の子供たちがきちんとした自尊心を持って自分自身の性をちゃんと自分を守るためにコントロールしていけるようにする、そのための環境整備は私はやはり大人の責任ではないかと思いますし、その一つがこの緊急避妊薬の早期導入なのではないかとも考えておりますので、ぜひこれについてはスピードアップをしていただけますようにお願い申し上げます。
 この十代の中絶防止策は欧米に限らず深刻でございまして、近隣諸国でも積極的に緊急避妊薬の導入を図っております。インド、韓国、スリランカでは二〇〇二年一月に、台湾でも二〇〇二年五月に発売されたと聞いております。しかも、韓国では、非常事態に適切に対処する意味からも薬局で手に入れられるようにという、いわゆるOTC薬として一部指定したというふうにも聞いておりまして、諸外国では、机上の空論というよりも、現実に何が必要とされているのか、どうすれば子供たちを守れるのかというような視点からきちんと考えられているのではないかと思っております。
 本日の御答弁を伺っておりましても、日本の政府としましてこの問題について科学的、具体的、実際的な対応が異常におくれているのではないかと思いますけれども、何といってもこの十代の妊娠、人工妊娠中絶、この危機的な状況を大臣といたしましてどのようにとらえて、これからどれほど力を入れて対応されるつもりか、最後にその決意表明をいただきたいと思います。
 これはだれが聞いても深刻な事態でございますし、子供とはこうあるべきだなどというあるべき論以前に、どうすれば効果が上がるのかというデータは諸外国でいろいろと蓄積されております。今の緊急避妊薬もそうでございますし、また、性教育の有効な手段としての同世代同士の話し合いであるピアカウンセリングが一番有効であるというようなこともいろいろと研究されておりますので、事ここに至っては、有効であったものをきちんとデータを拾いながら日本で早急に導入するということが求められている、一つのこれは危機管理の問題ではないかとも思いますけれども、最後に、大臣がどれほどこの問題について、どのような方向で頑張っていかれるかということを御答弁いただきたいと思います。