arcturus2006-08-16

ラジオ

802、ヘビーローテーションは candy magic
他愛なさを流し続けることのできる平和
 
「私の心の問題」であって守るべき「公約」でもあるという矛盾…
 
「美化するつもりはない」と、言うはたやすい
そう思うのは私が戦争を知らないから、でしょうか
 
 

私は15歳のとき終戦を迎えた。戦争中の記憶として強く残っていることの1つは、ラジオから聞こえた靖国神社の国家儀式だ。「英霊」の御霊を呼び寄せる招魂祭の様子が、厳かな音楽とともに報じられていた。
戦死した人々の名が読み上げられ、その人たちが「神」になっていく。
神社には遺族が集められ、「ありがたいことです」と儀式に感激する様子が伝えられた。ラジオを聞く私の周りも厳粛な雰囲気に包まれて、それを壊すような言動は絶対に許されなかった。
儀式に参列した遺族のなかには肉親の遺骨が帰ってこないことへの不満や疑問もあったであろう。
また戦争後期には、社会の一部に厭戦気分もなくはなかった。靖国は、そうした感情や意見を押さえ込むところでもあった。
 
戦争と追悼 歴史から考える 作家・半藤一利さんに聞く(朝日新聞 2006.8.15)より