特定疾患治療研究事業

 

郵政法案:衆院通過 重要法案が置き去り、課題山積(毎日新聞 2005.7.6)
 
郵政民営化法案の可決から2時間余りたった5日夕、難病患者らでつくる「日本難病・疾病団体協議会」(31万人)の伊藤建雄代表(60)が札幌市から上京し、衆院第2議員会館を訪れ、「国会は郵政のことばかりで福祉が置き去りにされている」と訴えた。
難病患者は障害者とは区別され制度の谷間に取り残されている。協議会は治療研究の推進や、患者の医療費の公的負担を求めて、請願や陳情を繰り返している。自民党に続きこの日、民主党が「難病対策議連」を設立したが、道は険しい。伊藤さん自身も筋無力症に苦しみ続けている。「難病対策は忘れられ、政治に優しさがない風潮が広がっている」と話す。

 

[解説]難病指定(2005.5.25 読売新聞)
 

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現在、疾患数は121。なお多くの陳情が国に持ち込まれているが、懇談会の座長を務める国立精神・神経センターの金沢一郎総長は「予算は限られており、四つの要件を満たしていても、総合的に判断した結果、指定されないこともあり、不公平感につながっている」と認める。
このため昨年7月の懇談会では、新たな疾患の指定を見送り、「効果的な治療法」とは根治療法を指すのかなど、四つの要件をより明確にする作業を始めている。さらに、「ある程度研究が進んだ病気については、指定を外すことも今後は必要」と金沢総長は話すが、これは簡単ではないようだ。
というのも、121のうち45の疾患については「特定疾患治療研究事業」で患者の医療費を公費負担している。研究推進のため、患者にデータを提供してもらう見返りとされるが、事実上、患者への福祉的な役割を担っている。
その額は2002年度で600億円に上る。事業費増に国の予算増が追いつかず、98年には、患者団体の反対を押し切って、一部自己負担が導入された。この上、指定を外されると、患者の生活への影響が大きいとして、全国難病団体連絡協議会などは強く反対しており、国も消極的だ。

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