学力テスト

 

一斉学力テスト優秀校の校名を公表 大分県教委(朝日新聞 2005.9.26)
 
大分県教委は26日、県内の小学5年生と中学2年生を対象に4月に行った一斉学力テストの平均点が優秀だった学校名を公表した。大分県教組は「学校の序列化につながる」と反対している。
テストは03年度から実施している。04年度までは市郡ごとに偏差値や正解率を発表していたが、今年度から、各教科ごとの8〜10の評価項目の平均点がいずれも目標を上回った学校名を公表する方式にした。小学校333校、中学校144校(いずれも私立を含む)のうち、小学校51校、中学校56校が公表された。
公表の狙いについて、県教委は(1)児童、生徒の学習意欲を増進させる(2)教諭が成績優秀校に指導法を問い合わせることができる、と説明している。一方、県教組は「テストの結果で学校が評価され、教育現場が混乱することは明らか」と反対する声明を出した。
県教委によると、同様の学力テストでは東京都荒川区が学校別の成績を公表し、和歌山県は学校別に設問ごとの正解率を公表している。
テストは小学5年生は国語と算数、中学2年生は国語と数学、英語で実施した。

統一学力テスト:広教組が中止を申し入れ−−障害児らの排除など理由に/広島(毎日新聞 2005.10.8)
 
県教職員組合広教組)は7日、県教委が公立小学5年生と中学2年生を対象に実施している統一学力テスト「『基礎・基本』定着状況調査」で、平均点を上げるために障害児や不登校の小中学生らにテストを受けさせない例があったなどとして、県教委にテスト中止を申し入れた。
広教組によると、組合員のいる計737校を対象に今年6〜7月、アンケートを実施し、376校(約51%)から回答を得た。現場の教職員から「校長の指示で不登校や障害を持つ児童は試験を受けられなかった」「点数を上げるために事前に過去問題を集中的に取り組むよう求められた」などの声が寄せられたという。
会見した広教組の石岡修書記長は「調査名目で学校の序列付けが行われ、点数を上げることが目的になっている。本当に調査が必要なら、小中学生の一部を抽出して試験をすればいい」と話した。

 
 

広がる小中学校自由選択制 生徒集めに走る先生(毎日新聞 2005.9.19)
 
学校自由選択制の最大の狙いは、競争原理を導入して公立学校の質を高めることにある。ルーツは、臨時教育審議会の第3次答申(87年)の「通学区域制度の見直し」にまでさかのぼる。臨教審は中曽根康弘首相(当時)が「戦後教育の総決算」を目指して設けた首相の諮問機関。旧文相の諮問機関である中央教育審議会中教審)とは異なる立場から教育改革を唱えた。
その答申から13年後の00年、品川区教委が全国で初めて小学校で導入した。同区教組は「児童の流動化で廃校や特定学年の異常な増減を招き、児童や親に不安と不信を与える。市場原理で教育の機会均等が失われる」と猛反発した。
自由選択について文部科学省は強制はせず、自治体教委に判断を任せている。同省によると昨年11月現在、小学校では2校以上置く2576自治体のうち227(8・8%)が導入し、150が導入を検討する。中学校では同1448自治体のうち161(11・1%)が導入、138が検討中だ(隣接校選択など“部分自由化”も含む)。